反物質はなぜ消えたのか
例えば電子はマイナスの電気を持っています。これに対し、プラスの電気を持ち電子と同じ質量をもった「陽電子」が存在します。陽電子を電子の反粒子(反物質)と言います。
また原子核の中にあるプラスの電気を持った「陽子」に対しても、陽子と同じ質量であるが、マイナスの電気を持った「反陽子」が存在します。反陽子は陽子の反粒子(反物質)と言います。
このようにある粒子には、その粒子に対して反粒子といったものが存在します。
つまり、物質には反物質といったものが存在できるのです。
それではなぜ、身の回りには反物質が見当たらないのでしょう?
まず、物質、反物質には、物質と反物質が出会うとたちまち消滅してしまうという性質があります。例えば電子と陽電子がぶつかると、消滅してどちらもなくなってしまうのです。
この辺のところはSFにも使われていて、「さらば宇宙戦艦ヤマト」では反物質のテレサが地球を救うのに一役買います(物理を知ってるとSF作品が作れます!)。
つまり、もしもまわりに反物質があったら、物質とぶつかって消滅してなくなってしまうのです。
さて、しかしながらこれだけでは反物質が見当たらない理由を説明できません。
そもそも、この世界が反物質の世界でもあってもいいはずです。
なぜ、私たちの世界は「物質」ばかりあり、「反物質」の世界ではないのでしょう?
というわけで前置きが長くなりましたが、ノーベル賞物理学者の小林誠先生が、「反物質はなぜ消えたのか」というタイトルで、小林誠特別栄誉教授ノーベル物理学賞受賞記念講演会が2/1につくばのKEKであるそうです。
申込締切は1/28です。
興味ある方は申し込んでみてください。