[]ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ

この映画はとても映像が綺麗で、音楽がとても美しいのです。この映画の公開が1984年なので、もう20年以上もたっていますが、アマポーラに代表される、甘く、そして心に沁みる音楽は今でも街のいたるところで耳にすることができます(実際、昨年12月のある日、同じ日に伊東と本厚木でアマポーラを聞きました。)。映像も、1930年代のノスタルジックな美しいアメリカの映像がなんとも印象的な感じを受けます。

あらすじはというと。。。時は禁酒法の嵐が吹き荒れる1920−30年代のアメリカ。ユダヤ人街に生まれたヌードルス、デボラ、マックスらの物語。デボラは女優を目指し、このユダヤ人街から抜けだそうとしているのに対し、ヌードルス、マックスらはギャングへの道を突き進む。デボラは、ヌードルスに惹かれはじめながらも、そんなヌードルスに迷いを感じている。ヌードルス、マックスらはギャングを結成するが、仲間のドミニクがバグシー(アメリカの現存するギャング)に殺されてしまう。。。そして大人になったデボラは迷いながらもついにヌードルスでなく女優の道を選択することを決心し、女優になるためにハリウッドに向かう。一方ギャングとして暗躍していたヌードルスらだが、禁酒法の廃止とともに仕事がなくなった後のことを思案し始める。マックスはFRB連邦準備銀行)を襲撃する事を提案するが、ヌードルスFRBほどの警備が厳重なところを襲撃すれば全員警察に殺されてしまうと考え、殺されるよりはつかまった方がマシと考え警察に密告を行うも、マックスらはFRBを襲撃し殺されてしまう。。。。時はそれからおよそ30年後、ベリー長官の汚職事件が発覚する。はたして長官の正体は?マックスは?デボラは?ヌードルスは?あとはDVDを買ってみてください。

とまあ、こんな感じのストーリーですが、前半での感動シーンはデボラのダンスのシーンとドミニクが殺される場面。デボラのダンスのシーンは本当に綺麗です。こんなに綺麗な女優がいるのかしらと思うくらい綺麗です。デボラはあのジェニファーコネリーが演じていて、彼女はこの作品で一躍有名になり、このあとたくさんの作品に出てきます。何故人々はダンスをお金を払ってまで見に行くのかそれまでわかりませんでしたが、この場面を見てその理由がわかりました。非常に美しく、芸術の域に達しています。一方、ドミニクが殺される場面ですが、ドミニクは最年少で10歳程度。スーツとコートを着ていて、「ちびっこアルカポネ」といった感じです。そういう、無邪気で、何も知らない子供がギャングに襲われニューヨークの道端で銃声に倒れていくシーンは心に痛みます。そして、ギャングに襲われるそのシーンは、スローモーションと印象的な音楽でいっそう印象的な場面となっています。

後半の感動シーンは、全体の中でも最も感動するシーンなのですが、大人になったヌードルスがデボラを海辺の貸切レストランに招待する場面です。ここで甘く、美しく、そしてどこかノスタルジーを感じさせるアマポーラの音楽が演奏されます。映像もとても、いやこの映画の中で一番綺麗です。美しい海辺の貸切レストラン。(お金があったら)ぜひ借りてみたいと思います。大人になったヌードルスはあのゴットファーザーで有名なロバート・デ・ニーロが演じています。そしてデボラはというと、これまた美しいエリザベス・マクガバンが演じています。海辺の貸切レストランでアマポーラの演奏を聴きながらのフランス料理。そしてデボラとアマポーラの甘い音楽にあわせてダンスを踊る。ヌードルスにとってはまさに人生の頂点のひとときです。子供の頃、デボラに読んでもらった聖書の「雅歌」を逆にヌードルスがデボラに語って聞かせ、自らの想いを伝えるも、デボラはヌードルスに女優になるためにハリウッドに向かうことを告げます。甘く、切ないシーンです。

この映画は、「いやー本当に映画っていいものですね」という水野春朗の言葉がぴったり当てはまります。ギャング映画なので、見るに堪えないシーンも一部あるけれども、そういったシーンをのぞくと映像も音楽も物語もどれをとっても素晴らしいです。映像は最先端の技術で決まるのではなく、監督の感性で決まるのだとしみじみ思います。日本の監督さんにもこういう素晴らしい映像を撮ってほしいものです。


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