判決を読んだ感想

東京地方裁判所のホームページに主要判決速報というページがあり、そこにあった平成17年(ヨ)第20021号 新株予約権発行差止仮処分命令申立事件という例のニッポン放送ライブドアの判決を読んでみた。

堅苦しい文章かと思っていたら判決文のなかに「なるほど」が数回出てくるなど、結構読みやすい文章であった。判決文を読んでいて、目を引いたのは、


買収に伴って従業員らを解雇したことはなく,買収後直ちに雇用条件の見直しを進めたことはないこと

平成17年(ヨ)第20021号 新株予約権発行差止仮処分命令申立事件判決より一部引用


という部分。これってすごくないかなあ。経営能力が優れているから、こういったことができるのだと思う。


世論調査によれば日本人が少なからずライブドアを支持しているとの事。これは日本人がライブドアという会社そのものを気に入って支持しているからというより、実は「有能な経営者」を求めているからではないかなあ。恐らくバブル崩壊前にこんなことやったら、日本人はほとんど支持しなかったと思う。


バブル崩壊後、日本はある意味で「経営者優遇策」をとってきた。例えば逆進税である消費税率を上げたり法人税を下げたり累進課税である所得税最高税率を下げたり、経営状態が悪ければリストラをすることもあるなどである。

これらは一見、「経営者を優遇して日本の景気を回復させる」ということを想定してのことなのかもしれないけど、実は「無能な経営者も優遇」してしまった。それが不景気の大きな原因の一つだと思う。

昔はリストラする経営者は経営責任を問われて市場から消えて優秀な経営者だけが市場に残った。本当は「有能な経営者」を優遇して、「無能な経営者」は経営に参加できない仕組みをつくる、例えば昔の日本か、「アメリカ並みのリスクに応じたリターン」が景気を回復させる原動力となるのに。。。


日本にかつての日本にいたような優秀な経営者が増えてくれればいいなあ。

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